竹細工いろいろな編み方
編み方によって様々な表情を魅せる竹細工。基本の編み方は「四つ目編み」「六つ目編み」「ござ目編み」「網代編み」と、4種類あります。
一種類の編み方で全体を編んでいくこともあれば、複数の編み方を組み合わせることもあります。また、4種類の基本の編み方を応用した編み方が多様にあるので、全てを組み合わせると200種類以上にもなると言われています。
それでは、まず基本的な編み方をみていきましょう。
四つ目編み
基本中の基本と言われる編み方。縦横の竹ひごを平行に正方形を作るように編んでいきます。工程そのものは簡単ですが、「四つ目に始まり、四つ目に終わる」と言われるほど、熟練が求められる編み方です。
四つ目盛篭/阿部功一
六つ目編み
最初に6本のひごを斜めに組み、六角形をつくり、そこを中心に編んでいきます。斜めの構成によって強度のある編み方です。バリエーションも豊富で幅広い用途のかごに使われてきました。
ござ目編み
編み目がござのように見えることからこの名がつきました。ざるなどの日用品によく使われることから「ざる目編み」とも言われます。
網代編み
ひごを隙間なくびっしりと緻密に編み上げる編み方です。並べ方に変化をつける事で模様が作れ、バリエーションも豊富な編み方です。
それでは、次は基本の編み方から派生した編み方をみていきましょう。
菱四つ目編み
基本の四つ目編みを斜めに交差させる編み方。編み目が正方形ではなく、菱形になります。
差し六つ目編み
六つ目編みの編み地にひごを差しています。花籠やかごバッグなどによく使われる、モダンな印象の編み方です。
亀甲編み
6本のひごが交わる点を組まずに、中心を寄せることで六角形ができます。この編み目がクレマチスに似ていることから、クレマチスの別名「鉄線」にちなんで、鉄線編みとも呼ばれています。
亀甲盛り皿/小林真弓
八つ目編み
かごバッグや整理かごによく使われる編み方。編み目が八角形なので「八つ目編み」と呼ばれていますが、小さな四つ目もあるので、程よい透け感が好まれるデザインです。
透かし網代編み
網代編みを基本とし、ひごの間隔を一定に透かせる編み方です。涼しげで軽やかな印象。
やたら編み
やたらめったら編んでいくので「やたら編み」と呼ばれているのだそう。編み目を隠しながら隙間を埋めていきます。不規則に編んでいく中にも、センスが問われる編み方です。
ここでご紹介した編み方は、ほんのわずかですが、職人は多様な編み方の中から、デザイン性はもちろん、機能面も考えた編み方を選び、技巧を凝らしながら制作しています。
竹細工との出会いの中で、あなたのお好きな編み方を見つけてみてください。
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参考資料
「手作りする竹のかごと器 想いがこもった作家もの+作り方」
著 嶋崎千秋
誠文堂新光社
「竹かごハンドブック」
著 嶋崎千秋
誠文堂新光社